彼女に手紙を書いたのは、ただの私の自己満足に過ぎなかったんだよね。実際、仕事してた時に彼女に対して冷たく対応していたことは事実だし、それも本心から腹を立てていたからということなのだから、別に卑屈になることはなかったんだと思う。彼女が身体的に人とは違うから、それで弱い者いじめをしていたとこっちが負い目に思ってしまったから、私の中の良心がとがめたわけなんだけど、そういう障害がなくても、彼女の性格とか腹を立ててしまう要因になってただろうから、どちらにせよ、私たちはいずれは仲違いをしただろう。だから、それに対して申し訳ないという手紙を送ること自体が私の驕りでしかなく、そんなことをするべきではなかったんだと、今なら思う。で、結局はこの時の手紙の交換以降は連絡を取ることもなく、彼女は逝ってしまった。私一人がいつまでもこだわり続けて、恐らく彼女は私のことなど何とも思うこともなくこの世を去って行ったんだろうな。 | ||