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Little Eden



2月9日日曜日

久々に自分の足で歩いてスーパーまで行くと、おもしろいものを目撃してしまった。
おもしろいって言ってしまっていいのかわからないけど、行きの時はあんまり周りがポカポカしてて陽の光が当たって眩しくて、なんだかそれと正反対にどんどん気持ちが沈んできて暗くなりかけてたんだ。
だから、それを見た時は、いつもの私ならイヤーな気分になるんだけど、あーここに書く題材ができて嬉しくなって、思わず悪戯する時の妙にニヤついたあの気分になってきて、くちびるがほころんできてしまった。

いつも通る大通りより一本はずれた道を歩いてたら(行きよ)、犬が繋がれて門の所に座ってたの。そしたらいきなり吠えながら飛びかかってきたんだけど、幸い、ひもが届かなくて大事には至らなかった。
その家よりちょっと前の家では、道を歩くスーツ姿のおじさんが空を見上げて「落ちないでね…」って言ってるから、そこの屋根を見たら、中学生かな、女の子が乗って座ってた。
よく見なかったけど、女の子二人だったと思う。
私はそれを見て、20年前の私の姿を見てるようで、なんだか切ない気持ちになった。
そう、こんなうららかな春のような陽射しに当たりながら屋根に布団をほして、その上で空を眺めた中学の頃をね。
時々、眼下の道を、あのバスケのあの人が自転車で通りかかった事もあったっけ、なんて…そう思いながら、その子たちの気持ちも突然、私と同じだろう、なんて考えたのに。
帰り、もう一度その道を通ってきたら、まず、私を追い抜いた自転車のおじさんが、あーあんまり近づかない方がいいのに、と思っている間に、例の犬に飛びかかれて、どうやら足の所をかまれたらしい。5メートルほど走ってから、引き返してきて、その犬の前にしばらくいたみたい。
家の人にいちゃもんでもつけるんじゃないだろうかってハラハラしてたけど、どうやら行ってしまったらしい。証人になってって言われたらどうしよう、なんて内心ドキドキもんだったわよ。
そして、またしばらく歩いて、例の女の子たち、まだいるかな、と思ってその家の前まできたら、上からたばこの吸いガラが落ちてきた。私は上を振り仰ぐ勇気がなかった。
通り過ぎる私の頭の上から、クスクスと女の子の笑い声が聞こえてきて、ああ、私ってなんて単純な人間なんだろう、とちょっぴり気が滅入っちゃった。
けど、そのあとに、あのおじさんもあの女の子も私に見られてお気の毒様って思ってしまった。
これからどんどんそんな事柄を小説に書いてやるって思ったんだもん。

私はその場で言う、意見する、事ができずに、こうやって紙面では平気で書く。
サトウさんやアダチさんみたいに、イヤなことはイヤ、めんどくさいことはしないって言えなくて、彼女らがうらやましいけど、表面ではヘラヘラいい子ぶってる。だって、他人にイヤな思いさせたくないんだもの。だのにイヤな奴って思われるんだよな。だから書いた物を公にしようと思う。面と向かうってわけじゃないから。

だからこそ、ネットでこうやっていろいろなことを匿名で書くというのが普通になって、それをすぐにすんなりと受け入れられたわけだ。そういった人の体験を小説に活かす作家もけっこう大勢いると思う。そして、それを嫌悪する人も同じくらいいる。著作権を抜きにしても、書かれるのが嫌だという人も。まあ、一種の見世物みたいなもんだもんねえ。そりゃ嫌な人は嫌でしょ。ただ、どんなこと書かれてもいいっていううちの母親みたいな人もいるわけで。というか、そのタバコ吸ってた中学生、そりゃ書かれてもしょうがないじゃんって思うよなあ。普通に生きてる人よりそういった特殊な人がモデルにされてしまう率が高いわけだから、書かれたくなきゃ普通に生活してろよと私なら思うけど。意地悪かしらね。まあ言われたくないわ、タバコなんて吸う未成年には、ね。www






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