そもそも、子育ては女にとってあたりまえというのが間違いだよね。まあ、子供産んだわけだから、その子供に対して無責任ではいけないことは確かだけど。でも、子育ての上で母親が頑張ったことに対して、周囲が「母親なんだからそれくらいできてあたりまえ」という目で見ないてほしいとは思ったものだった。その人にとってはそれはあたりまえなんかじゃないわけで、そのことに対して何の評価もしてくれない、なんてことはその母親を殺してしまうことになりかねないことを知ってほしいと当時の私は思っていた。だから、そういった母親の気持ちを小説で表現したいと後に思ったのだ。子供を持たない友人が私のことを「ちゃんと母親していてすごいことだ」と、まるで尊敬すると言いかねないくらいに褒めてくれて、私は「そんなにすごいことじゃないのに」と恐縮したものだったけれど、私は本当に母親として失格で、それなのにそんな私にさえもそういった評価をしてくれる友達に申し訳ないとまで思ったけれど、でも、友達のその態度は正しいんだ。みんながそういった目で世の母親に対して見てくれたら、きっと、とんでも母親になんてならないんじゃないかなあと思う。 | ||