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Little Eden



11月4日金曜日

この間も書いたと思うけど、花郁悠紀子さんというマンガ家が、もうずいぶん前に亡くなっていた、という話なんだけど。
亡くなったのは1980年の12月だそうで、胃ガンだったということ。今、この人の単行本を集めてるところなんだけど、その1冊「幻の花恋」に、お友達の青池保子さんとか、萩尾望都さんとか、佐藤史生さんなど、現在も第一線でご活躍の方々の手記が載せられていて、80年といえば、私が17歳の時だったと知り、そんなにも前に亡くなっていたのかと、改めてショックを受けました。当時26歳だったそうです。
9歳違いなんだけど、実はちょっと心配している事があるんだよね。こんなことほんと縁起でもないんだけど、丁度10歳ほど年の違うアダチさんは何年か前にお兄さんをガンで亡くしているのです。よく言うじゃない、身内にガンで死んだ人がいると、けっこうガンにかかる率が高くなるって。
彼女は私とは違ってちゃんと毎年、胃の検査はしてるし、乳ガン、婦人科検診も受けてるらしいから、大丈夫だとは思うけど、「死」とまではいかないけど、かかるかもしれない、という危惧はあると思うの。
私の考え過ぎであってほしいと思う。

ゆうべ、ようやく「アンネの日記・完全版」を読み終えた。
アンネがつかまってから今年は丁度50年になるそうだ。
亡くなったのは、それから更に7ヶ月後ということ。
子供の頃に読んだ本は、あまり内容を覚えていなかったみたい。
けっこう削除されてた部分が追加されているとはいえ、あまり記憶にないところが多すぎる。
ジャーナリストや作家になりたい、と書いてあったくらいしか覚えていなかった。
なぜこんなにも「アンネの日記」がベストセラーとして今なお多くの人に読まれ、そして私自身をも惹きつけてやまないのだろう。
それはたぶん、この本が実際に存在した人の「日記」であるということ、実際にあった出来事が書かれてあるからだと私は思う。
その昔、私が他人に日記を見せたり、他人からのハガキや手紙などをずっと持ってたりするのを怖い、と言った人がいたけれど、日記でもなんでも「書く」という行為は、やっぱり他人に「見せたい」と思うから「書く」んだと思う。
昔、お母さんが、お父さんと結婚する時、娘の頃の日記を全部燃やした、と聞いた時、私は出来ない、と思った。
アンネのように、あんなに細かく説明の出来てない日記でも、私にとっては、その時その時の気持ちやら状況をおしはかるうえで、とても必要なものだからね。
アンネの日記は、でも、もともとは戦後に本にして出すつもりでいたものでもあるから、まあちょっと心構えが違うといえば違うんだけど。
こんなにも多くの人、全世界で読まれている、というのを、彼女はどう思っているのだろうか。
それはもう感無量であることは間違いないとは思うけれど。
たぶん、彼女が亡くなってしまったから、こんなふうになったとは思わない。きっと、彼女が生きていても、ベストセラーになったと私は信じる。

ああ、彼女の日記ほんとに唐突に終わっている。
そういうものだ。
私も、カナちゃんが流れそうになった時や胆石で入院した時も、ほんとにぷっつり、なんの前兆もなしに途切れている。
あのまま、まんいち死んでしまってたら、それこそそこでおしまいになるんだよね。
アンネと違う所は、何週間か何ヶ月か後に、その頃の出来事や心境を書くことができた、ということ。
きっと、アンネも生きていたら、自分でその途切れたあとの事を本として出す時、つけ加えていたであろう。
本当に本当に残念でならない。
子供の頃、私がもし彼女と同じくらいの年で、その時代の彼女のもとにいたら、きっと友達になれたろうに、と思ったことがあったけれど、大人になった今、それは非常に考えにくい事であることに気づいた。
とにかく似すぎているのだ。私とアンネは、たぶん、私とナツコさんと同じ感じになってしまうんじゃないか、と思う。
でもまあこれは想像であって、ほんとのところはわからないんだけどね。
とにかく頑張ろう。
きっとアンネが見守ってくれてると信じて。
いつか、彼女のなりたがっていた作家になれるよう、頑張りたい。

うーん、今日の出来事が、なにひとつ書けなかったねー。

とりあえず、今年の年賀状もアダチさんからきたから、まだ病気なんかにはかかってないんだろうな。そういえばタゴさんもお姉さんがガンで亡くなってたんだけど、彼女もまだ元気だろうか。他には何人か病気で亡くなってしまったあの頃の同僚もいるんだけど。私が知らないだけで、なんてことじゃなきゃいいんだけど。

アンネについては…いろいろ考え方や感じ方はさらにまた変わってきてはいる。子供の頃やこの日の日記よりさらに今現在の気持ち。書くという行為は確かに他人に見せたいからというのもあるけど、自分が読みたいから書くっていうのもあるなあと今の私は思うから。自分という他人に読ませる為にという考え。そういうの他の人にはないのかなあ、なんて思ってみたり。






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