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Little Eden



9月6日火曜日

アンネの日記、完全版を読み進んでいくと、以前読んだ本より随分、共感する事が多いことに気づく。
その中で、母親に対する感情。これは私も彼女くらいの年に覚えがあるので、ああ、私だけじゃないんだ、という気持ちを持った。ということで、アンネを真似して、これから少しづつ私の身の回りの人達の事を書いていこうかな、なんて思っちゃったりなんかして…。やっぱり、まず、自分の本当の家族の事よね。

私の母は、私が少女時代だった頃、絶対の存在だった。さすが、子供の頃からIQが高いだけあって、頭はいいみたいで、数学はいまいちだったけど、こと文学や歴史はピカいちだったね。質問してわからないってことなかったもの。
その代わり、アンネじゃないけど、我慢できないこともたくさんあった。でも、さすがに今と少女時代では、立場が違うし、あの頃のいろんなからくりもわかってしまったので、母ばかりが悪いんじゃない、私もわがままだったって事に気づいてしまった。
だけど、一度だけ、感情にまかせて自分の思ってる事、洗いざらいぶちまけたことあった。
あれはいつだったっけ。結婚する前何年か前だったと思うけど。
お母さんは自分の事を嫌いなんだ、それも好きでもないお父さんの子である私だから、憎んでいるんだ、だから私につらくあたるんだって、昔からそうだったって、そんな事を言った覚えがある。でも、言った後、すごく後悔したな、あの時は。
その事があった随分あとになって、子供の頃からつらくあたってたっていうのは、私自身のせいもあったし、お父さんのせいもあったってことに気づいたけどね。
反対にお父さんは、子供の頃は優しい人だなって思ってたけど、それはただ争い事が嫌なだけってことに気づいたのよね。その代わり、お母さんにつらくあたってたみたいなのよ。だから、子供に八つ当たりみたいなことするハメになっちゃったのよね。「あなたの育て方が悪かった」の連発なんだものねー。嫌にもなるわよ。お父さんははっきり言って私たちにタメになるような事、言ってくれたためしないものね。
でも、子供の国に連れてったってことや、映画にもよく連れてってもらったっていうのには、ほんととっても感謝してる。それだけはよく覚えてるもの。
そりゃあね、私も一個の人間だし、お父さんやお母さんだって親っていったって、その前にやっぱり一個の人間であるわけだから、考え方も好みも違うわけだから、意見の衝突ってあると思うし、あってあたりまえ、なければおかしいって思うもの。で、やっぱり一時は一緒に暮らしてるのが苦痛になって早く家を出たいって思ってた。
でも、よく世間でいう離れてみてわかる親のありがたさって、こんなことなんだって今は感じてる。
子供の頃に感じてた、私はこの二人の本当の子供じゃないんじゃないかっていうのはもう完全になくなってる。まぎれもなく私は父と母の娘だ。今では私が生まれた日の事が手に取るように想像できる。それはやっぱり私がカナタの母親になってからだ、と思う。

親の気持ちは親にならないとわからないとは絶対に言えない。親にならなくてもわかる人はいるし、親になっても理解できない人もいる。だから、他人に簡単に「親になるべきだ」とは言わない。昔は言ってたけど。だってさ、親になってみなきゃわかるかわからないかもわからないわけだしさ。どうしてもこれじゃいかん、わからなきゃと思うのなら親になってみるのもひとつの選択だよね。とはいえ、そんなふうに「わかりたい」という人は、たぶん親にならなくても何とか理解できそうな気もしないでもないんだけど。

人並みに愛憎入り混じった気持ちを私も両親に持ってはいるけど、私は自分の親が一番いい親だと思っている。もちろん、両親以上にすばらしい親やってる人もいないわけじゃないと思うし、私の親が一番すばらしい親だとは客観的には言えないことはわかってるし、それは私の成長にとってはあまりふさわしいとは言えない親だったのかも…という気持ちも拭えないわけで。けれど、互いに親や子供を選べない私たちなんだから、そこはもうそれなりに臨機応変に接していくしかない。それに、なんといっても最悪な親ってわけじゃないんだし。

私はどうだろうか。私は息子にとってどんな存在になってるだろうか。最悪な親とは思われたくないという気持ちもないではないけど、私自身は自分をいい親だとは思えない。ただ、最悪ではないとはわかってはいるつもりだけど。でも、それも私がそう思うだけで、本人にとって最悪かも…いやいや、そんなことはないと信じたい。






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