画像提供サイト
Little Eden



3月9日水曜日

私は本当に強い人間ではないから、いろんな事を考えてしまう。
確かに、カナはかわいいし、もうこの子なしではいられないだろうと思うし、錬司さんの事をほんとに愛しているのかってこともいまだに自信を持てないっていうのも嘘とも言えない…そんな自分がすごく嫌でたまらなくなる。カナを失いたくないって思ってるくせに、この子がいなけりゃ…って思ってしまってる自分が…いるって思うと。

時々ね、ふぅ〜って思う事がある。私はどうあがいたって人間でしかないんだ、いつかは私もおばあちゃんやおじいちゃん、あと、あのミカちゃんみたいにいつかは死んでしまうんだって。
とくに、あの入院して手術してからこっちはそれがだんだん強く感じられるようになって、ついでに30歳過ぎちゃったってのもあるけど…。
すごくね、こわいの。自分が死ぬその時が。この私、今のこの私がこの世からいなくなるのが。いくら転生があるよって言われたとしたも、それは、この私、テンコではないんだもの。
たぶん、私、テンコの記憶はなくなっちゃうんだもの。
その証拠に、私、前世の記憶なんてないじゃん。
魂にあるよって言われたとしても、そんなの関係ないよー。私は生きてきたすべてのこと忘れたくないのよ。いいことも悪いこともイヤだったことも、ぜーんぶ憶えてたい。
その思い出だって、時々、ほんとにあれはあった出来事だったんだろうかって考えちゃう時あるけど、それはそれで頭に浮かぶだけでも私にとってはうれしーことなのよ。
そして、結局、こんな事考えてる私って、いったいなんなんだろうって思っちゃうの。こんな事考えるのってほんっとツライじゃん。それにめんどくさいと思う。だから、生活していくのって私にはムイてないのかなー。こんなめんどーなことばっか考えるから?日々の生活がすべてめんどーなのよ。こんなのってよくないんだろーなー。

こういう気持ちが強いと私は小説が書ける。だから、あの頃は…というかちょっと過ぎた頃だけど…妄想の世界を文字で表現し続けた。普通の生活が出来ない状態。毎日毎日書き続けて、日々の生活を忘れようとしていた。いろんな物語が生まれた。けれど、現在、子育ても終わって悠々自適に暮らせているのに書けない。物語が書けなくなってしまった。日々を平穏に何事もなく生活していけることに満足してしまっているから。

書けないことをとてもこわく思ってた頃もあったけど、今は書けなくても別にいいかと思えるようになった。私は普通の人間。それだけの人間。それでいい。何も考えずに生きていきたい。それが今の私の望み。






inserted by FC2 system