この月から次の月にかけて、かなり私のやきもちが頻繁に起きてちょっと錬司ともめてしまったこともあった。そういったやきもちは今でも時々思い出したように起きることがある。それは、私が自分に自信が持てないからでもあるんだけど、錬司のほうはそういったやきもちっていうのをあんまり私に対して焼いたことがない。私を信じてるのかなあとも思うんだけど、ガクトさんに対してだけは珍しく彼もやきもち焼くんだよね。身辺の男性に対してはそういうことないのにねえ。おかしな話だ。芸能人なんて絶対に何かあるってことないのにさー。(笑) 私は人の気持ちは変わるということを身に染みて実感していたから。私自身の気持ちも変わってきたものだし。錬司に対する気持ちだって「大嫌い」から「大好き」に変わったわけだし。今のところその気持ちは嫌いには変わらないみたいだけど。確かに変わらない気持ちを持ち続ける人だっているだろうけれど、錬司はそんな人じゃないと私は思っている。彼自身も好きな人が変わっていった人だから。で、とりあえず、私は自分にできる範囲で彼の気持ちが変わらないように今は努力しているつもり。ただ、当時は私も彼も若くて、気持ちは変わるかもしれないというのがいつも心にあった。しかも、彼の友人のケースもあったし。それは、他の人と付き合っている女性がいて、その子が彼氏とあまりうまくいってなくて、そのことを錬司の友人に相談していたら、いつのまにか二人はくっついてしまっていたというやつ。そういう話を聞いているから、錬司とミユキちゃんが、そうならないとは誰にも言えないよなあと私はとても不安に思っていたからだ。 錬司はやさしい。つまらない思いをしている人をほっとけない性格で、それもあって彼氏とうまくいってなかったミユキちゃんのこともほっとけなくて相談にのってあげてた。それは妹に対する気持ち以外の何物でもないとしても、彼の優しさにほだされない人はいないと私は思っていた。私という彼女がいたとしても、まだ結婚してたわけじゃないから、彼女の気持ちが錬司に傾かないということもなかったと思う。ある程度のやきもちは錬司も嬉しく思っただろうけれど、私の嫉妬はそんなに生易しいものじゃない。そのことを彼は想像もしてなかったんじゃないかなあ。どんなに私が嫉妬心を抑え込んでいたかなんて。まあ、チラホラ出てきていて、そのことでもめてしまったこともあったんだけど。 この時、結婚式まであと四ヶ月…。 | ||