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Little Eden



3月9日水曜日くもりのち雨

『ジョンはいい人です。でも欠点はあります。それをよく知って、こらえていかなくてはなりません。自分の欠点のことも考えてね。あの人は、はっきりした人です。でも、おまえがようく話をし、気短にさからったりするようなことさえしなければ、けっして頑固になるひとではありません。正直ということについては、とくにきびしくって、やかましいひとのようです──いい性質ですよ、おまえは「こせこせしている」などとお言いだけれどもね。
あのひとをだまそうなどと思ってはなりません。様子でも言葉ででもですよ。
メグや、そうすれば、あのひともそれだけおまえを信頼するだろうし、困ったときには助けてもくれるでしょうよ。あのひとの気性は、私たちのように、かっとなったかと思うと、すぐけろりとするようなのじゃありません。でも、めったにおこらないひとの静かな怒りというものは、一度燃え出したら、なかなか消し止められないものです。気をおつけなさいよ、そういうふうなおこらせ方をしないように。
平和も幸福も、あのひとを尊敬しつづけていれば、生まれてくるのですからね。油断をしてはなりませんよ、ふたりともわるかったら自分から先に謝るようにするのですよ。ちょっとしたことに腹をたてたり、誤解をしたり、短気なことを言ったりしないように、気をおつけなさい。そうしたことが重なって、つらい悲しみや後悔を招くようになるものです。』

これは、若草物語の中からの、結婚したメグにお母さんが忠告している一節です。
ゆうべ、休みがだめになった、と聞いた時、あんがい自分の感情を爆発させなかったのは、その前にこれを読んで感動していたからとも言えそうです。
それでも、にじみ出てくる落胆をどうすることもできませんでした。
たぶん、みんなとゲームセンターやモスに行った時の私の姿を見て、錬司はひしひしと感じていたでしょう。
でもこれはどうしたって当然のことです。
だから、錬司にもわかってもらいたい。
だからって錬司の事を考えてないわけじゃないのだから。
仕事の方が大切なんだもの。
それに私よりきっと錬司の方ががっかりしたんだろうと思う。
そうだ!そうなんだ。彼の方ががっかりしてるに違いない。
一緒に見に行ってやれないうえに、他の男に一緒に見に行ってやってと言うことしかできない、なんて…と、落ち込んでるのは、きっと私より彼の方だろう。
なんか心が軽くなってきた。

「若草物語」のこの一節は、今でもずっと守っていることだ。だからこそここまで私たちの仲は続いてると私は思っている。錬司は確かにジョンのような人だし、私は確かにメグのような女だから。この一節をずっと守ってきているつもり。まあ、一度や二度くらいは忘れてしまって怒らせかけたこともあったんだけどねえ。(笑)






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