１１月２８日金曜日くもり時々雨

錬司の言う事が正しければ正しいほど腹が立つ。
私は錬司の言う通りの女になれないし、たぶん、それは心のどこかに”なりたくない”という気持ちがあるからだろう。
責任転嫁と言われてもいい。
今の私は錬司やＫのために出来上がった人間なのだ。
以前の私は、融通はきかなかったけど、けっこう努力家だった。けど、今の私は愛想はいいけど、ちっとも努力家じゃない。
そう、いかにして楽に生きようかと考えている。
切れるものなら切ってしまいたいが、周りのことを考えるとそれも出来ない。
周りがあっての私たちだし、切ってしまったらさいご、私は去らなければならない。
でも出来ないよ、私がどっかいっちゃうか、錬司がどっかいっちゃうかしないと。
ひとりになりたい、昔のように。今のイメージを拭い去りたい。
自分はみんなが思ってるような人間ではなく、今の自分はみんなの仲間入りをするために作り上げたものなのだ、と言いたいのに、なんだか、まるで、今の自分が本当の自分のように思えてくる、これでは！
私は説明が下手クソだ。
もう、とくに錬司には、自分の感じたままとか、思ったこととかを話さないようにしよう。
それについて意見されるのは目に見えているから。
勢いに流されて別れてしまえたらどんなに楽だろう。
ぐちゃぐちゃになってもいいから、ホッタ君みたいな人と結婚したほうが、私にとって幸せなのか…もしれないと思ったけど、うちのおかーさんみたいになりそうだから、こりゃあかんわ。
やっぱし結婚せんほうがいいかな。
それとも見合いして年上としたほうがいいかもね。
今の気持ちが変わらん限り、来年、春に錬司が大阪に行ってしまっても、私はここに残るぞ。
来年は２４。そうなったら２５の再来年に見合いして結婚しちまおう。
なんか、あの占いの通りになりそう。
来年、新しいノートには、いったいどんなことが書かれるやら。
この予想が当たるか、はずれるか、私の心は秋の空よりひどいからねー。