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Little Eden



4月15日木曜日曇り

シンゾウ君、お元気ですか。まずは聞いて下さい。
今日、セラ先生の音楽T〜1があったんです。音T〜1は特に歌をするそうです。
すると、その時間にサイキ先生がいらしてピアノの試験や単位の話をしてくれたんです。
びっくりすることばかり先生の口から出てきました。(先生は歯を4本抜いたそうです)
幼児教育でこんなに音楽が厳しいだなんて考えてもみませんでした。
まずは前期のピアノテストは、課題曲を童謡5曲、自由曲1曲だそうです。
セラ先生の音T〜1の前期のテストはコールユーブンゲン、後期は友人にピアノを伴奏してもらい歌を一曲。
ピアノは2年時の1月31日までにバイエルを終ること。そうしないとピアノの試験が受けられなくなります。その点では私は心配はしなくてすみますが…。ソナタだから。
そのかわりに、今まで理論をちっともやってないので、ペーパーテストが恐ろしいです。
昨日のシライシ先生の音U〜1では、聴音をさせられたけど、さっぱりわからなかったし。
幼教もたいへんだなあと思いました。
音楽と体育と教育は絶対に必修だね。
英語科の友人に英語科のことを聞いたけど、幼教よりも厳しそうです。(授業が)
私も最初は英語科志望だったけど、やっぱりやめたのは正解だったかも。
今じゃあ、英語、さっぱりわからないもん。
まあ、今では子供の教育に情熱をかけているから。
前の手紙にも書いたと思うけど、良き母、良き妻になるためです。
たぶん、教育原理のナカジマ先生だったと思うけど「資格を取る取らないは別としても幼教で習うことを知っていれば、将来役に立ちます。いずれは、きみたちも母となるのだから」というふうな話をしていたし。(男の先生です。私はこの先生が一番好きです、今のところは)
さて、我らが304号室は北側にあります。北に窓があって、そこから外を見ると山です。
時々、山道を耕運機がダッダッと通ります。でも、目を休めるにはいいかもしれません。
トシエちゃんやコガや北高の友人のアキコさんたちは南側です。
南側からは、きれいな倉吉市の夜景が見れます。
寮は大学の敷地内にあります。少々不便だとは思うけど、良い環境だとは思います。
大学は倉吉駅の北側の山の上の盆地にあります。
じゃあ今日はこのくらいで。また手紙書きます。
追伸…会って話したいけどな。髪がほんのちょっと伸びました。量はあいかわらず…少ないみたい。

しばらくシンゾウ君への手紙に書いた内容をそのまま日記に書き写していた。おかげで、かなり詳しい当時の大学生活が書かれていたのだけど、これもほんのちょっとしか続かなかった。手紙を書いても結局は一度も返事がくることはなかったから。それはまあしょうがない。彼も大学生活が忙しかっただろうし、男の人がマメに手紙を書くなんてことはあまりないだろうからね。それこそ、むこうが私に首ったけでない限りは。

それにしても、私の通った短大の幼教って、ほとんど良妻賢母を育てるための花嫁修業のための学校だったなあと今では思う。もちろん、ちゃんと保育士やピアノの講師になった人もたくさんいただろうけれど。無駄な2年だった…と正直思うところもあるんだけど、それでもある意味においては無駄ではなかったよなあとも思う。どんなに無駄に見えても、きっと何かで役に立ってる2年だったんだと私は信じたい。

思うに、他人に読まれることを前提とした書き方だったからこそ、ここまで詳しく書けたということは、やはり日記も他人に読まれることを意識して書いたほうが、より一層内容の濃いものになるんだろうなあって。日記は他人に読ませるものじゃないと言う人もいるかもしれないけど、私はやっぱり日記は誰かに読んでもらうのが一番いいと思う。だからこそ、私はずっと日記を他人に読んでもらってきた。それは私にとっては間違いなんかじゃない。これでいいんだ、私は。






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