１２月２２日火曜日晴れ

今日は終業式で、明日から冬休みだ。明日から２週間ほどシンゾウ君に会えない。

式の時、ナガミツ先生がおっしゃった。男女交際は、ためになるつきあいをしなさいって。
シンゾウ君と私はつきあってると言えるかどうかは疑問だけど、私にとってシンゾウ君の存在は、少なくともマイナスになっていない。彼のために成績が下がることはなかったし、むしろ逆に彼がいるためにはげみになった。だからこそ、私はシンゾウ君といつまでもつきあっていたいと思う。
今まで誰かのために勉強に手がつかないことはたくさんあったけど、反対にやる気が出るというような人はシンゾウ君が初めてだ。だから、たまらなく彼を大切に思う。

さて、またしても、ヒサとトッペさんはユーシンから逃げた。どうやらユーシンは、ヒサミをとうとうつかまえることはできなかったらしい。
本屋に入るたびに、ひとりうろうろする彼を見て、可哀想に思った。
実は、ホッタ君とアライ君と錬司と私は一緒にいたのだが、あまりにユーシンが嫉妬深いので、特にホッタ君は、彼が嫌いだと言っていた。
私としては、確かにユーシンもあまりにヒサミを縛りつけすぎるな、とは思うけど、反対に、ユーシンは素直で正直だとも思う。
何を考えてるのかわからないような、やたらと愛想のいい人なんかよりはまだましだと思う。
まあ、ヒサミは、私と精神構造が違うから、それに我慢できないんだろうけど。
だから、今日はなんとなくユーシンが可哀想に思えた。
そして、ヒサミも、もうちょっとあいつにやさしくしてやってもいいんじゃないか、と考えた。
私としては、もうヒサミのかわりは嫌だから、あいつには話しかけない。
私といちゃつくのがユーシンの精一杯のヒサミへの抵抗だったのだろうけど、私としてはつらい。
でも、一度だけ、それをいいことに、あいつにわがままを言ったことがある。
あの時は、あとにみじめさしか残らなかった。
しかし、本当に、人間関係ってむつかしいですねえ。