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Little Eden



12月11日金曜日晴れ

ただではすまないと思っていたが、まさか、あんなことが起きるとは思わなかった。
思い出すだけでもおぞましい。

朝、7:19の汽車に乗るために母と駅へと急いだ。するとKさんに会い、アキコさんは6時の汽車で行ったことを聞かされる。私は不安になり、母にそのことを話すと、母は米子からはタクシーで行こうと言う。私は嫌な予感がしていたが、したがうしかなかった。
案の定、私はそれから1時間以上、地獄の苦しみにさいなまれることになるのだ。
面接の不安と時間の不安とがかさなりあい、私はひどい車酔いをしてしまったのだ。
倉吉に入ったところで、私はとうとう車の中で吐いてしまった。あんなひどい吐き方はかつて経験したことがなかった。母は「お母さんが悪かった。ごめんね。お前が車に弱いのをすっかり忘れてて」と言い、私はぼんやりとした頭で、ただいっしんに「ごめんなさい、ごめんなさい、運転手さん、汚してごめんなさい、すみません」と呟いているだけだった。
やっと着き、受付時間はとうに過ぎていたが、まだ入らせてもらえて良かった。
私は母に支えられて、フラフラしながら玄関にたどりついた。
しかし、作文と面接をしなければ、と、私はフラつく足で試験場へ向かった。
私の受験番号は41069。席に座り、400字詰原稿用紙1枚を前にして、私は目を閉じ、題目”紅葉”を頭に描いた。(ふたつあって、もうひとつは”社会人としての大学生”)

私は、あの死にそうなくらい気分の悪い時、母や運転手さんの他に、シンゾウ君にもすまないと思った。
彼に頑張って!という資格などありはしない。なぜ、こうなる前に汽車の時刻を確かめておかなかったのか。一番悪いのはこの私だ。

今日は地獄のような1日だった。しかし、夕方、訪ねてきたTomyのグチを聞いてやるしかなかった。私の本当のグチを聞いてくれる人はいない。ここに、つれづれなるままに書き、いつか読んでもらえるだろう、あなたに聞いてもらいます。
私がいったい毎日何を思い、何を考えているのか、を。

今日はホッタ君、チョビン、エンドウ、オオモリ君、タカハシ君、タクロウ、カツヤ君、キュウヤ君、などなどに会った。タカハシ君、メガネかけてたけど、ちっともかわってなかった。

ほんと、今でも受験日のことを思い出すのはつらい。いつか笑い話になるだろうと普通ならなるんだろうけど、今でも思い出すだけであの時の自分の愚かさを思い出して、恥ずかしいというよりも情けなくてしかたなくなる。友人たちのほとんどは親がついてくるなんてことはなかった。アキコさんとはその後、かなり親しい間柄になったけれど、ただ、まだあの頃はアキコさんとは親密な関係になってはいなかったし、高校も違ってたから、一緒に受験を受けに行くという話にはならなかった。だから、結局はひとりで行くってことになるわけで。そうなるとやっぱり一人では行けないから、母についてきてもらうしかなかった。そんな場所まで一人では行ったことなかったし。でもまあ、今でもそういうところはある。一人では遠くには行けない。ほんと情けない。






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