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Little Eden



11月21日土曜日晴れ

まずは今日の出来事をちょっと。

体育はドリブルシュートのテスト。ステージのほうから中央に向かってドリブルをしていき、中央でぐるりとまわって入り口のゴールにシュート。そして、また戻ってきて中央でぐるりとまわりステージの方のゴールへシュート。なんと、私は30秒。ちょっと鼻が高くなってしまった。
上手な人は20秒台なんだけど、ほとんどの人はシュートを失敗して何回もやり直すので、あの人が、と思うような人が意外にタイムが遅い。あのキョウコとかコガちゃんとか。

放課後、本を借りようと図書室に行こうとすると、シンゾウ君のトランペットが聴こえてきた。
時々、ハノンのスケールなんか弾いていた。私も今日ピアノだから少し練習した。
私としてはグランドが弾きたいけどなぁ。”展覧会の絵”のプロムナードをあのグランドピアノで弾くと、とっても迫力あるのよ。だけど、自分のピアノが一番ね、やっぱり。
しかし、もうすぐであの音楽室とお別れ、と思うと、淋しいですね。
恐らく、卒業したら二度と来ないんじゃないかと思う。合唱部が残っているはずないような気がするから。
卒業までに一度でいいから、夕暮れと夜更けの音楽室でグランドピアノのそばにボケーっとしていたい。
そばでシンゾウ君が何か静かな曲をトランペットで吹いてくれれば最高だけどね。
かなり少女趣味だと思うけど、なにせ私は”永遠の少女”だものね。ウォルフに憧れてるから。
(でも、ほんとにシンゾウ君ってウォルフに似てる。ピアノを弾いてる時の姿が)

さて、あのふたり。2年生のあのブラスの有名なカップル。名前知らないけど、あのふたり、6日の中村さんのリサイタルに来たらしくて、帰りの汽車が一緒だった。彼らは評判は悪いけど、そんなに悪いとは思わない。(私が彼らの実態を知らないからかもしれないが)
実をいうとほほえましい、と思ったこともあるのだ。羨ましいと思ったことはないが、おもしろいんじゃないかな。
そう目くじらを立てることはないと思う。イヤなら無視すりゃいいじゃない。彼らは彼ら。
私らの口出すことじゃないもの。またその権利もないと思う。

あれっ?なにか書くつもりだったのに忘れちゃった。

当時はシンゾウ君のピアノ弾く姿がマンガに出てくる天才ピアニストのウォルフに似ていると思ってた。けど、今、ガクトさんがピアノを弾く姿に重なる。顔も体系も似てるというわけじゃないけど、なんでかなあ。

それにしても、やはり卒業後一度もあの音楽室に出向いたことはない。音楽室どころか、学校自体もそばを通ることはあっても一度も敷地内に入ったこともない。もし、あの高校に行くことがあるとしたら、それは作家になったらと思っていた。でも、それも夢と消えそうだ。私にはそこまでの根性はない。シンゾウ君は音楽教師になったわけだから、たぶんあの高校に何度も出向くことはあっただろうな。あれ以来、あの思い出の音楽室で少しは私のことも思い出すことあったかなあ。それくらいの印象は彼の心に残したという自負はあるんだけど。

あの音楽室を夢にまで見る。彼と二人で過ごした静かな時を、楽しかった時を、辛かった時を。私は決して死ぬまで忘れない。






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