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Little Eden



11月19日木曜日晴れ

まず始めに、今日の事を少し。
調査書の心配はひとまずなくなって一安心。同和の朗読をしたおかげで、先生からごほうびに90分のカセットテープをいただいた。

さて、昼に図書室に本を借りに行き、その足でピアノ室に向かった。しかし、ピアノ室には人がいたので、音楽室のドアをおそるおそる開けたら、やっぱり人がいた。でも、ちゅうちょしてる暇はない。
グランドピアノに向かい、私はいつものモーツァルトとベートーヴェンのソナタの練習。
そして、ツェルニーの11番。12番はまだ暗譜に自信ないし、13番も。
この次のレッスン日(今日はなんとレッスンはお休みでした。土曜日また行ってみよう)には、11番、必ず上がりだ。
すると、まさかと思ってたのに、シンゾウ君が来るんだもん。わーわーなにしに来たんだ、と思ってたら、トランペットを吹きだした。また、きける、と思い、指のほうがおろそかになってしまった。
シンゾウ君の音色はちょっと違うような気がする。こう、なんていうのか、トーンが高いような気がする。
ある人に言わせれば”金属的”な音。それは、あの上等なトランペットだからかなぁと思ってたけど、やっぱりそうじゃないみたいですね。シンゾウ君の音色、好きだな。

7校時目には講演会”眼と健康”しっかり目をあけたまんま眠り込んでいた。
4組の男子、ミズグチ君の前、つまり一番前にスギタニ君が座ってた。彼の赤い髪の毛がよく見えた。
シンゾウ君はイディオムを持ってきてた。たぶん私が「またそんなもん持ってきてー」と言ったら、きっと「時間がもったいない」って言うだろうな、と思った。今はそんなこと非難しない。
講演して下さった先生には悪いけど、別にたいした役に立ちそうなこと話してなかったみたい。
あたりまえのことだったぞ。それぐらい私だって知ってる。なんてったって、近視のキャリア(?)は、私を近視について勉強させたもの。

放課後は、メッコとヒサミとで境に行く。最初、郵便局へ。それからやよい。おもちゃ売り場で、きゃあきゃあ言って遊んだ。(とくに私が)ぬいぐるみがほしい!あの白と黒のふとったネコのぬいぐるみがほしい。一緒に寝るんだ。昔からの憧れだもの。私、ぬいぐるみなんて買ってもらったことないもん。
丸福で”いつもポケットにショパン”の2枚組LP(¥4000)を見つけた。ほしい〜。
同じく、くらもちふさこの”糸のきらめき”ハーブ・アルパートの”マジックマン”ほしいヨォ!
小西でホッタ君に出会う。ホッタ君は、私が髪をふたつに結ぶのをイヤがる。
私の髪を伸ばしてほしくないらしい。

少し、といいつつ、沢山書いてしまった。

昨日の続き。
チエコとシンゾウ君について。NO.14にも書いたように、私はチエコが好きだよ。
彼女は教養豊か、作法抜群、頭脳明晰、趣味よろしく……しかし、人格はちょっと。
かなり年上でなければ、彼女の人格は理解できないんじゃないか、と思う。
私は彼女はそういう人だ、と、わりきってるから、別段何とも思わないが、他の人にはそうはいかないらしい。
彼女は私を呼びすてする。確かに私より年下だが、私は彼女を年下だなんて思っていない。
頭がずば抜けていいために、彼女はあんなふうなんだろう。言いようによっては可哀想な子だ。

”相手が自分を嫌ってれば自然と自分も相手を嫌う”
チエコとシンゾウ君がそうだ……と思う。チエコはシンゾウ君が嫌い。シンゾウ君もそうみたい。
どうして人を嫌いになれるのか。私にはわからない。
人間には欠点のない人などないし、美点もない人はひとりもいない。
しかし、人は欠点ばかりを先に立たせて、その人を見、美点を受けつけようとしない。
私はいつも美点の方を優先するんだけど…。もちろん、欠点もしっかり見てますよ。
「確かにシンゾウ君にも欠点はあるかもしれないけど、いい所もあるのよ」と、いつかチエコに言ったことがある。それでも彼女はわかろうとしなかった。もう何を言っても受けつけてくれなかった。
私は悲しかった。好きな人の悪口を好きな人に聞かされるのはたまらない。
いっそ、チエコのことを嫌いになれたらいいのだけど、それもできない。腹を立てることはあっても、嫌いにはなれない。人を嫌いになれる人たちの気持ちが私にはわからないのと同じで、たぶん私が誰も嫌いになれない気持ちは彼らにはわからないだろう。
でもたまらない。人の悪口を聞くのは!

でも…と今は思う。もしかしたらチエコはシンゾウ君が本当は好きだったんじゃないかって。そんな気がする。






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