共通一次の前は、確か5教科すべての試験じゃなかったはず。国文科に入りたかった場合、国語ができればいいという感じで、私は中学から数学ができなかったんだけど、国語さえできれば大学に入れると思っていて、高校に入った時はシンゾウ君の受けた大学に私も入るつもりだった。でも、勘違いから私は島大を諦めたんだった。しかも数学もできないとダメだと知ってしまったからということもあって。 とはいえ、何が何でも入りたいと思ったらできるはず。でも私は楽な道を選んでしまった。推薦の上、作文と面接だけで入れる短大を選んでしまった。思うに、シンゾウ君と同じ大学に進めばたぶん彼の恋人になり、いずれはゴールインというのも夢じゃなかったかもしれないと思う。それはわからないけれど。それでも、同じ大学に入るくらいの気概があれば、私はどんどん彼に関わっていっただろうし、二十歳前後の私はけっこうモテていたということもあり、彼も気持ちが動かされなかったということもなかったんじゃないかなあって。すごい自信だよな。(笑) 「夢は叶えるためにある」と言った人がいた。現在の好きな人。ああ、もちろん愛しているのは旦那さまである錬司だけなんだけどね。「夢は叶えるためにある」と言ったその人のその言葉を、私は違うと思いつつ、子供の頃の私にはその言葉を強く言いたいとも思った。頑張ればきっと叶ったはずだよって。 高校を卒業して二十歳で就職するまで、私はずっとシンゾウ君を忘れずにいた。2年とちょっと、ずっと彼を思い続けたものだった。錬司とお付き合いするようになるまでに一人、気になる人も出てきたものだったけど、シンゾウ君はやはり私の心の中で特別な存在になっていく。それは今も同じ。好きで、尊敬できて、大切な人。それは中学の時に転校してしまったハヤトも同じ。まあ、ハヤトは尊敬というのはないんだけどね。そこまでになるほど過ごした期間がなかったからなあ。だから、ハヤトは私にとって初恋の相手で、シンゾウ君は尊敬する人で、そして旦那さまは愛する人。あ、もう一人いるなあ。「夢は叶えるためにある」って言った人。まあ、この人のことは手書きの日記には出てこないか。誰であるかは一部の人は御存じだと思うけど。(笑) | ||