８月２２日土曜日曇り、雨

なぜ学校に行こうとすると気分が悪くなるのだろう。特に部室に行こうとすると。
彼が来ているわけないことはわかっているのに。、それでも気分が悪くなる。
昨日もそうだった。せっかくカナちゃんが来たというのに、彼女が来たらすぐに帰るはめになってしまった。
帰って眠ったら少し気分が良くなった。昼から劇の練習行かないつもりだった。
だけど、リーダーズダイジェストに書いてあった”失意のときは”という随想を読んで、私は久しぶりに新鮮な空気をちょっぴり吸い込んだ気持ちになって急いで学校に向かった。
Ｂｅｓｔな気分ってわけじゃなかったけど、何かしたいって思うようになった。
まだまだ全てのことに自信がない。希望も生きがいもない。
たぶん一生のうちで今年１９８１年が一番自分にとって嫌な年になるだろうけど、早くこの状態から抜け出したい。
私以上に安らぎを求めている人たちいるんだ。私だけが苦しんでるんじゃないんだ。
これからまたどうしようもない気分になって吐き気をもよおすこと、たくさんあるに違いない。
歯をくいしばってそれと戦うことは果てない終わりのない戦いのように思えるけど、私は自分に言い聞かせなくては！！

　　お前は強い！負けない！戦うの　逃げちゃだめ
　　逃げるな！テンコ　逃げるな　逃げるな……！！

これからの私と精神と身体の戦いを思うと、うんざり、げんなりしてしまう。
確かに死んでしまえば、そのほうが楽だろう。私は近頃、死ぬことには勇気などいらないと思うようになった。死ぬことは簡単だ。生きることのほうがつらいし、難しい。
だけど、私は弱虫になんかなりたくない。うじうじしてるよりコロコロ笑っていたい。
それにキリストでは自殺することはタブーだ！
今では彼の恋人になりたいとは思わないけど、いいかげんな人間には思われたくない。
どうすればそんな人間に見られずに私のこと、私の気持ちを忘れてもらえるかしら。
そうして、どうすればあの人と普通に話せるようになれるかしら。

私の身体の中には爆弾があるの。あの人と話をしたりすると爆発しちゃうの。
爆発ってね”吐き気”なの。そして気分悪くなること、あれは導火線が燃えてることなの。