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Little Eden



5月12日火曜日晴れ

落ち込まないのはいい事だ。でも、約束を破ってしまったのは残念だったと思う。
だけど、あの人は明日もきっといつもと変わらないことだと思う。
全ては精神に打ち勝つことのできない身体のせいなのだから。

5校時になる前、水を飲みに行ったらシンゾウ君も水を飲みに出て来た。
その時にある約束をしたのだけど、つまりは私が破ってしまった。
あの人は考えたこともないのだろう。私がどんな思いでブラスの下級生に好奇の目を向けられながら、あなたのところに行くか、を。
できるだけ放課後は行かないようにしようと思う。
教室も、あまり気がのらない。やはり好奇の目が私を見つめるから。
シンゾウ君は全然気にしてないみたいだけど、悪口を言われるのは私だからね。
でも、別に今は落ち込んでいない。

はっきり言って、カタをつけてもきっと今までと変わらないと私は思う。
どっちにしてもあの人から話しに来てくれるってことはないから、結局は私から行かなければならない。
ちょっと図々しいかもしれないけど、私とあの人は両思いだとは思っている。
ただ、あの人と話せる時間がない。
マナミは私が話しに行くことによって、彼の勉強時間を邪魔していると言う。(ほんとーにそうだろうか?そんなこと本人にしかわからないんじゃないかと思うけど)
そう、わかっている。でもそれはカタをつけても同じことだと思う。
私は今度からちゃんと断ってから話そうと思う。
だから、今日も水飲場で出会った時、「今、勉強かなんかしてる?」と聞いた。
結局、古文のテストがあるって言うから、あとで、ということになったけど、今日またこの間のようになりかけたから、約束を破って話に行かなかった。
どうやら、ちらっと聞いただけだけど、シンゾウ君は夜、勉強しているみたい。
明日、ゆっくり、聞こうと思う。

約束って言っても「話に行くね」っていうことだったんだから、別に話にいかなくたってシンゾウ君にとってはどうでもいいことだったんだと思う。ただ、当時の私は、もしかしたら私が話しにくるかもしれないと思って待ってたんじゃないかと思ってしまって、それで悪かったなあと思ってただけ。シンゾウ君としては、勉強に集中できるから、むしろ私が話しに来ないほうがよかったんじゃないかなあ。今思うと、思いっきり私は彼の勉強の邪魔をしていたんだ。マナミの言う通りだった。ほんとに。






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