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Little Eden



5月7日木曜日曇りのち晴れ

そう、本当は自分の事しか考えていないのかもしれない。
そして、あの人の気持ちを無視して行動をしているのかもしれない。
私が恐いのは、私があの人に話しかけなくなったり、親しく接しなくなった時、あの人に”なんだ、あいつはそれほど俺を好きだったわけじゃないんだ”と思われること。
たぶんマナミなら”それなら、なおさら、はっきりカタをつけるべきだ”と言うだろう。
ああ、やはり、私の存在で、誰かを不幸にしてしまうみたいだ。
私がこんなんじゃなかったらいいのに。
マナミに”はっきりカタをつけてしまわんと、これから受験勉強せんといけんだし、相手のことも考えてあげんと…”云々と言われると、ああ、私は悪い女なんだ、シンゾウ君の重荷になってるんだと思い、気が滅入ってしまう。
恐らく、昨日吐いたのも、精神面からくるものではないかと思う。確かに風邪がまだなおりきってないのもあるだろうが。
こんな些細な事ぐらいで思いつめるなんて、私は本当に”人間国宝”だ。と言っても、あまり誉められたものではないが。(”あまり”なんてーもんじゃない)
やっぱり、前に書いたように、私には恋愛は無理なのだろうか。
ただ、みつめて、キャーキャー騒ぐだけの片思いしか私にはできないのだろうか。
今の私はただ疲れたの一言。私は尽くすタイプなんだろうけど、今の私はそのことに疲れてしまって、反対に誰かに支えてもらいたい。(キザだなぁ)愛するより愛されたい。それがあの人になることはきっとないだろうけど。そんなのイヤダ!
今日、ハヤカワさんが来て、私は彼に私の悩みを打ち明けたが、彼に話したってどうにもならないことはわかっているのに。
やはり離れるか。でも、そうすると、もし今度、話をしようとした時、昨日のようなことが起こるかもしれないし。
つまりは、今の私は情けないことに、本当に情けないことに、あの人と話をしないと、もうどうしようもないほどになってしまっている。あの人なしではいられないのだ。シンゾウ君に対するこの気持ちを忘れ去りたい。
そうじゃないと、あの人も私も、本当に駄目になってしまう。

吐き気はそれが原因じゃなかったと思う。このくらいから病気の兆候が出ていたと思うからね。でも、ほんとに私から積極的にならないと、私たちは仲良く過ごすってこともなかった。それだけは本当だ。だから、つらくてもそばにいくしかなかった。カタをつけたって同じだったと思う。というか、たぶんこの頃だって、気持ちを聞かせてほしいと詰め寄っても、結局はうやむやにさせられたはずだと思うから。彼としても、嫌いじゃないけれど、さりとて女として好きというほどでもないといったところだったんだと思うし。だいたいそんなことよりもあの時はとにかく大学に入ることだけを考えたいと思ってたはずだもんなあ。






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