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Little Eden



3月13日金曜日雨

私は計算実務から音楽Uに選択科目をなんとか頼みこんで変更してもらった。
しかし、今の私はもう中国短期大学を受ける気はない。
およそ大学の先生について声楽をレッスンする勇気などない。
ピアノのジョウダイ先生に、よくわかってるけれどやはり現実というものを知らされてしまった。
高校に入った段階にそういう決心をしていたら、私なら大丈夫だったと言われれば、後悔もひとしおだ。

つまり、今の私は一変して絶望の底にいる。
たったの1年では何もできない。シンゾウ君でさえも危ないというのに、この私などにできるわけがない。たとえ決心してみても、他の全てのことを投げ出さなければ追いつくことはできないだろう。でも私は他のことまで投げ出すことはできない。

私と彼を結ぶもの──それは音楽だ──その音楽を土台にして様々な話題へと展開していくのだ。
ユーシン君は私が決心しても”告白しろ”と言い続けるけど、私は告白は絶対にしない。神に誓ってもだ。たとえユーシン君に軽蔑されようとも。恋の成功者にはならない。

だけど、ピアノは上手になりたい。誰よりも、特にシンゾウ君に追いつかれたくない。
ピアノは私の生活全てなのだから。ウォルフに似たシンゾウ君にだけは…。

計算実務か…たぶん就職するために取ったんだろうな。ところが音大に入るために音楽に変更したんだ。でも、結局はその夢は打ち砕かれる。ピアノの先生の言葉で。ただ、今思うと、それはただの言い訳だ。先生にそう言われたから、だからあきらめたということにしたかったんだ。






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