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Little Eden



3月11日水曜日快晴

私の心のような天気だった。

マナミ、ごめんね、マナミをほっといて。あの時、マナミは音楽室に入りにくいと言ったけど、私は全然そんな気にもならなかった。確かに入ってみたら、ユウ君とその彼女がいて、一瞬ひるんだんだけど、私は「シンゾウ君、シンゾウ君」と言いながら、一番後ろの席に座ってラッパを吹いていた彼の隣に座り込んだの。それからすぐにユウ君たちは帰って、コニシ君はピアノを弾いていた。
カワイのグレード認定書を見せたり、ツェルニーを見せたり、した。
そして、彼はまたラッパを吹き始め、私は出て行けない雰囲気になったので、ずっと彼のそばに座って、ツェルニーを見たり、教本を見たりしていた。
途中、私がひとり言を言うと「なに、どうした?」と、ラッパを吹くのを止めて問いかける。私が話す。そしてラッパを吹く。そんなくり返しだった。
コニシ君もそれからしばらくして帰ってしまい、今度は私がピアノをというふうに静かな時が流れて行った。
今日はシンゾウ君が先に帰った。ラッパをしまいかけて「あ、今日は持って帰らんといけんだった」と言った。
「じゃあ、お先に」と言ったので、私は「ばいばい。明日はテスト最後だよ」と言ったら、そうだそうだ、と頷きながら出て行った。
私はしあわせいっぱいにピアノをしばらく弾き、帰途についた。
最後に弾いた曲は「愛」である、もちろん。

17日〜20日の間に誕生日の贈物をあげようと思う。ほかの日はもうそんな暇ないから。
一緒のクラスでいられるのももう明日と17日〜20日、24日の6日間なのよね。

マナミ、元気だして。本当はいまの私にはこんなこと言う立場じゃないけど(それは私がマナミとは反対に幸せだから)でも、落ち込むことがあってもいつかきっと私のように、それから抜け出して幸せいっぱいのマナミになる日がくるわ。それを信じてね。私だってこの間まではそうだったもの。

どんだけ上目線なんだ私。(苦笑)

でも…確かに私は幸せだった。付き合ってるのかどうかわからないあやふやな関係だったんだけど、これはもう付き合ってるような感じだよねえ。なんかちょっとあの頃に戻ってみたいなあ。






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