画像提供サイト
Little Eden



10月20日木曜日はれ

今日はまた駅伝があった。
朝からタクロウもヤスヒト君もいなかった。
なんかこう寂しかったなあ。
数学の時間までヨシダも早退するし、昼にシンヤまでも早退する始末。
社会の時間、ソウ先生が言った。
「なんだあ今日は、みんな元気ないなあ。いつもの元気はどうした?ほら、もっと手あげ」

ピアノの塾にいってトミーと話した結果、今日から、というより、今夜から、自分の見た夢を書きとめておこうってことになった。
がんばるつもり。
そして、それを話しあいこするの。
きっと、おもしろいだろうなあ。

は、学校で読んでしまった。
そ、「なぞの転校生」
すっごく感動しちゃった。
テレビでも見たかったなあ。
また明日、学校で眉村さんの「まぼろしペンフレンド」を見ようかな。
これじゃあ中間テストの点数が予想できるなあ。
♪〜困っちゃうな〜
なんちゃって〜。

そうでした。トミーと二人で夢を書きとめるってことやったんだ。それを書き留めたノートが今も残ってる。トミーも不思議な夢を見ることが多かったからなあ。あの頃のこと、彼女、覚えてるだろうか。

彼女とのことを思い出すと、何だかすごく切なくて遣り切れない気持ちになる。私たちは確かに仲良しだったと思う。だけど、ある事がきっかけで離れてしまうことになってしまった。それは私の放った一言が原因だったのだけど。でも、それだけじゃなかったとも思う。ただ、それだけのことだったなら、ここまで切ない気持ちにはならない。

彼女は心の病気になってしまった。それはもう確かにそうなってしまうしかない家庭環境だったからというものだけど。病気のせいで一生モンの仕事は辞めなくてはならなくなるし、今は家族の監視つきでの生活を余儀なくされている。あれではたぶん結婚もできないだろう。第一、本人が結婚したいという気持ちがないんだもの。

確かに難しい性格な子だったけど、ごく普通な女の子だったのに。どうしてこんなことになってしまったんだろう。彼女が病気を発症する前は、どこにでも旅行にいける彼女を羨ましく思ったものだった。懸賞などもばんばん当たるし、お金で困っていた私とは違って、安定した収入やら、親のためていたお金やらあっていいなあと思ったものだった。けれど、結局は、どっちが幸せなのかなんてわからないことになってしまった。今は明らかに彼女の方が不幸だし。

私がこんなことを思ってること、彼女はまったく知らない。






inserted by FC2 system