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Little Eden



9月14日火曜日はれ

台風がやっとこさにげた。
シモラーシャー聞いて、ひげき〜〜。Iさんたちが、私のことキライだってェ。えんえん、えーん。これで、タクロウにふられたら、もうぜつぼうだわ。
シモラーシャ、なんとかして、タクロウの気持ちがしりたいよー。

そのときに書いたショートストーリーが以下。

「あ、テンコ。これ読んで。塾の時、この手紙返してね」
 そういってIさんがかけていってしまった。
 私は、期待に胸をふくらませて家に帰った。
 手紙の内容は、だいたいこんなものだったような気がするけれど。


 テンコ様

 私たち二人は、あなたに手紙を出したことを後悔しています。
 なぜならば、私たちはあなたといっしょに学校へ行きたくないからです。
 私たちが親友だということは話しましたね。
 あなたに聞かれたくないことがたくさんあるのです。
 だから、塾ももうむかえに行きません。
 はっきりいって私たち(Fもいれて)は、あなたがキライです。
 ごめんなさい。
 この手紙はあとで返してください。


 とまあ、こういった内容だと思う。
 手紙にも書いてあったように、すぐ返してしまったから本文は書けなかったけど、内容の筋はこういったぐあいだった。
 ともかく、私はとうとうきらわれてしまったのだ。いっしょに学校に行きたくない、ということだけで。私は、ショックと同時に二人とも勝手すぎるなと思った。
 とにかく悲しいことだ。

中学1年の一年間の日記を元にしてショートストーリー風に日記を再現した書き物を手作りの冊子にしていたのです。その冊子を「一年間」と言います。で、Iさんたちにもらったキライだという手紙なんだけど、当時、この「一年間」を読んだ他の友達も「ひどい人たち」と二人を評していました。私も「勝手だ」なんて書いてましたけれど、今思うと、「キライ」と言うしかなかったんだと思います。彼女たちにしてみれば、そこまでしたくないと思っていたんだと思います。私はとにかく粘着タイプで、好きとなったらとことんつきまとう人間だったんですよ。まあいわゆるストーカータイプですよね。私は彼女たち二人を好きで好きでたまらなかったわけですが、二人は私の嗜好にはついていけなかったわけです。というのも、他にもいろいろ忘れていた私の性癖っていうのがあって、後に、誰だったかに聞いた話では、私がもっと幼い頃、Fさんにちょっと公では言えないようなことをしてしまったらしく、それが彼女の心に精神的なトラウマを残してしまったようでした。Fさんは、自分ではノーと言えない気弱なところがあったので、Iさんという存在が出来たことで、自分に酷い仕打ちをした私という人間に何とか気持ちをわかってほしいと思ったのでしょうね。それもあって、二人は親友になったんでしょう。私という悪魔から逃れたいために。もちろんそれだけで親友になった二人ではないんだろうけれど。私に対して好意的に思ってくれる人は、私が悪魔のような人間だったのだとは信じないでしょうけれど、私が彼女にした仕打ちは本当に酷いことだったと思います。私は忘れていたんですよ、彼女にそんな酷いことをしたんだってことを。他人から聞かされて、やっと思い出したんです。というか、私が彼女にした仕打ちは、夢だと思い込んでいたんです。そんなことを実際に彼女にしたのだとは…聞いたとき絶句でした。そりゃ嫌われてもしかたないよなあって。どんなことかって?いやー言えませんよ、さすがに。

それにしても、キライと言われてからの私の書いたものを読むと、ほんと他人の意識を操作するのに長けたことを書く奴だなあとも他人事のように自分の文章に呆れてしまうばかりです。(笑)
まあそれだからこそ、私はそういった才能があったんでしょうね、子供の頃から。やっぱり私は悪魔のような人間ですよ。ほんとに。これは自分に対して嘆くというより、本当に客観的にそう思うんです。悲しいとかそういう気持ちも今はないかな。こんな私でも結婚はできたわけだし、それなりに暮らしてもいる。いろいろな人をずっと傷つけてきて、自分自身も傷ついて、悪魔のようなとは言ったけれど、もしかしたら、人間ってみんなこんなふうなのかもしれない。その人だけの心の闇を持っているという点で。意識して他人を傷つけるつもりはなく、結果的に傷つけてしまうことはよくあることだし。彼女たちだって、他の人に対してきっと似たような傷つけ方はしているはず。すべての人間がそうなんだ。だとしたら、誰も誰かを非難なんてできないよなあって。あとはもう、一緒にいたくないとなったら離れるしかない。そして、そんなふうにして離れてしまった人を追いかけるべきじゃないんだなって。そういうことを今更に痛感した。けれど、私は追いかけるべきじゃなくてもそれをしてしまう人間。何年か前の修羅場は、それこそ、私が何かを書くために、進んで自分から飛び込んだようなものなんだよ、きっとね。私の心の底には表現者としての何かがあって、無意識のうちにトラブルに突っ込んでいく何かがあるんだろうなあ。






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