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Little Eden



7月18日日曜日はれ

モントリオールオリンピック開会式の日の夜中3時半。
「キャイン、キャイン」
「ゆきめ、このゆきめ!」
けたたましい犬の雪のほえ声と、お母さんの声。
「はっ」
わたしは、おそれおののきながら飛びおきた。
はじめはなにがおきたのかとうかがったが、すぐにわかった。
とうとう雪が、うさぎをぜんぶ殺してしまったのだ。
私はベッドの中でその声を頭にひろげていたが、なにかに気がついて飛びおきた。
けさの1時少しまえに、私をなやませたあのにおいのことを思い出し「ああ、あの時の血なまぐさいにおいは、もしかしてほんとだったのかもしれない」と、私は思った。
でも、たったそれだけでにおえるとは。私の鼻はそんなにきくのだろうか。
でも、もうミミちゃんはいないのだ。
なぜか雪がにくいなんて思えない。ただ、ミミちゃんが殺されたというのがかなしいだけ。
ほんとにこのごろの私っておかしい。
夕方7時半、西の空をみると夕焼けがみえる。
雲が波打って、きいろのや赤いのやとてもきれい。
今日は米子の松竹に「ベンジー」をみにいった。おもしろかった。とても感動した。

そのときに書いたショートストーリーがこれ。

 それは真夜中の二時ごろだった。
「キャイン、キャイン」
「この、雪め、この…」
 けたたましい犬の雪の鳴き声と母の声が、私の耳にとびこんできた。
─はっ!
私はびっくりして起きあがった。隣の部屋を見てみたが、弟はねている。
 はじめは、なにが起きたのかわからなかった。しかし、すぐにわかった。とうとう雪が、うさぎの親子を殺してしまったのだ。
 それから少し前の一時前。
─ん?
 なんだか、ヘンなにおいがする。私は窓を開けてみた。
「うっ…な…なに?このにおいは」
 ぷーんとヘンなにおいが私の鼻をつく。なんだか血のにおいのようだ。
 ひょっとした人殺しでも?なんて考えながら窓をしめたものだった。
─きっと、あの時…
 そう私は思ってはき気がしてくる。かわいそうなうさぎ。だが、それにもましてかわいそうな雪。

どういった経緯でウサギを実家で飼うようになったのかは覚えていませんが、私の家にはウサギがいました。犬は引越ししてくる前から飼っていたのですが、その頃に飼っていた雪は引越ししてから飼いだしたはずです。その前に飼っていたコロは引っ越す前の家の庭先で死んでいたのを私が見つけたのですから。
今思うと、犬の雪が繋がれていた小屋のすぐ傍にウサギ小屋もあったんですよね。それって殺してくださいって言ってるようなものだと思います。動物を飼うことについては、私の両親はあまりいい飼い主ではなかったと思います。予防注射もさせたことはなかったし、食べ物にしても人間と同じものを食べさせていました。犬猫って、人間の食べ物の中には毒になるものもあるんですよね。それを私が知ったのもごく最近のことです。当時の両親がその様なことを知っていたとは思えません。
それから、生まれてきた子犬をどこかに捨てに行ったこともあります。私はついていかなかったのですが。だから、犬についてはとても申し訳ないことをしてきたなあという気持ちを持っています。それもあり、私は動物は飼えません。私にはとてもきちんと世話する自信がないからです。もっとも、今住んでいる場所では動物は飼えないのですが。






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