7月6日火曜日くもりのち雨
土曜、日曜、月曜に日記をつけなかったのは、期末テストがあったからだ。
でもまた今日から書くのだ。
今日、おべんとうをつくってなかったので、部活を休んだ。
あーあ。だんだんと部活をやすんでいくけど、もうやめたい。剣道部なんか。どうせつきあいではいったんだもの。ほんとうは新聞部にはいりたかったんだ。そうそう、ユミはせんしゅうの月曜日から今日までずーっと休んでいる。心配だな。あしたはくるかな。
7月7日水曜日はれ
今日もユミはこなかった。じんぞうがまた悪くなって、もしかしたら入院するかもしれないと先生がいっていた。
今日も部活を休んだ。
決心をしたのだ。早く帰って、剣道をやめると、お父さんやお母さんにいうつもりで。ゆるしがでて、明日やめることをいいにいこうと思ったが、Iさんが帰りに自転車をとりにくるとき、「しあいがこんどあるから、しあいがすんでからにすれば?もうメンバーを決めてしまったのよ」といったので、しあいにでないというわけにもいかない。明日もピアノがあるからやすまなきゃいけない。ゆううつだ。なぜこんなに苦しまなきゃならないんだろうか。
そのときに書いたショートストーリーがこれだった。
「小山さん、私決心したわ。剣道部をやめることにしたの」
今日も部活を休んでしまった。帰りの道で、あれこれと母にどういえばよいか考えた。
そして、こくこくと近づいてくる家に胸を痛めて帰っていった。
─ガラッ
「ただいま」
─ああ、とうとうやってきた
─ドキドキドキ
私は、もじもじしながら、母にむかっていった。
「お母さん、私、剣道部やめることにする」
案外、早くそのことをしょうちしてもらった。なんだか心の重荷が無くなって、晴れ晴れとした気持ちになってきた。
そこへ石山さんが自転車を取りにやってきた。
「石山さん、私、剣道部やめることにしたのよ」
石山さんはいった。
「ふん。でも、今度試合があるから、それだけは出なさいよ。試合をしてからやめた方がさっぱりするでしょ?」
「う…ん」
また、重荷が帰ってきた。ぜんぜん練習してないのに試合だなんて。
「なぜこんなに苦しまなきゃならないんだろうか」それは自分のせいでしょ、と、今の私なら思う。でも、当時の私にそれを言ったなら、こんな私に、強くなりたいと思う私にしたのは私を襲った男なんだと食って掛かったでしょうね。確かに、私の身に起きた不幸な出来事は同情に値するし、私がそう思ってしまうのもしかたないこととはいえ、やはり自分の怠慢さを正当化することではないと思う。不幸になったのは私自身のせいじゃない。それはそうなんだけど、やっぱりね、正論だとしても「あんただけが不幸なんじゃないよ」って言いたくもなる。すごく不幸な人生しか送ってこなかったとしても、他人のせいにせずに頑張って生きてる人もいる。私のネットの友人にもそういう人がいる。だから、己の不幸を他人の攻撃に使ってほしくない。私が過去にFやIに「不幸な私を見捨てないでよ」と思い続けたように、そんなふうに自分の不幸を嘆き続けるのはやめたほうがいい。と、言いたい人がいるけれど、でも、たぶん伝えたところで本心は伝わらないんだろうなと虚しさを感じている。こればっかりは自分自身で気づいて変わっていくしかないんだよねえ。私も傷ついて、大切なものを失って、そしてやっと掴んだ「気づき」だったから。
|