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Little Eden



6月6日日曜日

今日は堀田先生の家に六年ろ組だったみんなが集まって会を開いた。ヤマネさんとイマムラが来てなかったけど、たのしい会になった。一つのへやには本がいっぱい。おうせつ間には、ピアノがあって、私はおもいっきりひかせてもらった。
だけど、みんなもひいたので、実をいうと、あんまりひけなかった。
とても楽しかった。
でも、堀田先生の家にいって、三時には若葉にいくつもりだったのに、そこにいたくなって、ずっと五時までいた。つくづくこうかいしている。
ああ、時間よ、あの時にもどってはくれないか。でもむりなこと。
やっぱり時間とは、お金みたいなものでしかないんだなあ。

で、その時に書いたショートストーリーがこれ。

 今日は、堀田先生(六年の担任の先生)の家に六年の時に同組だったみんなが集まって会を開いた。はじめ、私は塾にいくのでいこうかいくまいかとまよっていた。でもけっきょくいくことに決めた。先生の家にいって、時間になったら塾にいくことにした。そうと決まったら、いっしょにいく人を決めなければならない。私は急いでTちゃんに電話して、いった。
「Tちゃん、堀田先生の所にいっしょにいかない?」
「うん、いいけど。ハマダさんやケイコもいっしょだよ」
「うん、いいよ」
と、いうふうにいっしょにいくことになった。
 ハマダさんたちは自転車に乗れないので、バスでいって停留所で待つことになった。
 私とTちゃんは気分よく道路を進んでいった。約束した停留所につくと、まだ来ていなかったので待つことにした。
 しばらくするとバスが来たので、
「あのバスに乗ってんじゃない?」
「うん、そうかもね。早いとこ出てきてもらわなきゃこまるわ」
と、話していた。しかし、ハマダさんたちはおりてこなかった。私はプンプン怒りながら「クソッ。ハマダクソジめ。おくれたな」と、はしたない言葉をはきすてた。
「Tちゃん。待っててもしかたないよ。いったん先生の所にいって、もう一度来てみよう」
「うん」
 私たちは自転車をひっぱって歩きかけると「待ってェー、テンコ、とっちゃーん」と、ハマダさんたちの声が聞こえてきた。
 ハマダさんたちは、早く来すぎたので、市民会館で絵を見ていたと言っていた。
 とにかく私たちは、先生の家にいった。
 先生の家にいくと、もうみんな来ていた。
 だけど、ヤマネさんとイマムラがこなかった。みんなが輪になって、中学になって印象に残ったことを先生やみんなに知らせた。私は、剣道部にはいったことや、二回にわたって男子とけんかしたことなどを報告した。
「すげーな。テンコは。男子とけんかなんざするとは」と、口々にいわれた。(とくに男子)
 そんな楽しい時だから、塾にもあまりいきたくなかった。IさんもFさんも休むといっていた。それでとうとういかないことにした。でもそうはいってもやっぱり三時半が近づいてくると私の心は乱れてきた。
 それで、気分なおしに先生にピアノをひかせてもらった。おもいっきりひいたら、気分が少し楽になった。でも、いつまでもひいてはいられなかった。ほかの人もひきたいといってきたからである。
 でも、おもしろかった。

あの時のことはよく覚えています。自己中なお子様でもあった私だったんですが、生真面目で決められたことをさぼるということができなかったんですね。まあ、できなかったというわけではなく、さぼることでいろいろ叱られたり説明したりするのが嫌だからということもあり、それでやるべきことはやらなくてはならないという強迫観念で凝り固まっていたわけです。けれど、やりたくないことはやりたくないという気持ちは人並みにあったわけですから、抑圧された気持ちが身体に変化をきたしていたわけです。それが小学生から中学にかけて腹痛をよく引き起こしていた原因だったのだと今の私はわかりますけれど。
だから、自分の息子が、後でバレるとわかっている嘘をつくのが理解ができませんでした。結局は叱られるわけですから、最初から嘘などつかずに本当のこと話せばいいのにってね。まあそこが子供の浅はかさなんでしょうけれど。今逃れられれば後のことはしったこっちゃないということなんでしょうかねえ。私にはそういう気持ちがどうしても理解できません。今のことより後のことばかり考えて、それで行動が起こせないことばかりの過去でしたからね。






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