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Little Eden



6月2日水曜日

明日とあさって、いよいよ中間テストの日なのだ。
第一日目は、一校時「数学」二校時「社会」三校時「音楽」なのら〜。
ふん、くそっ、テストがなんだ。がんばってやるぞ。
お母さんが「そんなに気にせんでいい。せいいっぱい自分のおぼえたことを書けばいい」っていってくれたから、すこしは自信ついたけど、やっぱテストだもんね〜。気にするわー。
なんせ今日は、五組の男の子に首すじのところを思いっきりなぐられたんだもんね。
またまた卓朗のときみたいに、手をださなければよかったのだけど。やっぱ「さわらぬ神にたたりなし」だなあ〜。

5組の男子に殴られた顛末をショートストーリー風にこんなふうに書いていました。

 今日、昼休けいに、せかせかと私は五組までいった。久しぶりにハマダさんたちに会おうと思ったからである。
 そして、五組の前の廊下で、ハマダさんとケイコと私とで、ぺちゃぺちゃ話をしていた。すると、そこにいきなりアキトという男子が、私を思いっきり押してきたのだ。
 私は、かっときて、またもやけんかをしてしまったのだ。ハマダさんの話では、アキトはすぐけんかを売りにきて、すぐ泣く泣き虫だといっていた。しかし、何度もおもいっきりけってやっても、いっこうに通じなかった。
 そのうち私は、左の首すじをおもいっきりなぐられ、壁にぶつかってひじにけがを作ってしまった。私は、多くのやじ馬の前で声を出さずに泣いた。すると、やっと知っている女子から知らない女子までもが集まってきた。
「だいじょうぶ?ほんとにひどいやつね、アキトって」
「そうよ、そうよ。あやまんなさいよ」
と、いろいろやさしい言葉をかけてくれた。
 そういうふうに女子が私たちのまわりでいろいろいってくれた時、六組のタクロウ、あのにくたらしいやつが、私のまわりにいる女子に話しかけてきた。でも、女子たちはタクロウなんかそっちのけ。
「だいじょうぶ?保健室にいきましょうか?」
「そうしたほうがいいみたいね」
と、私につぎからつぎへと話しかけてきた。その中で、やっとタクロウは、私が泣いていることに気がつき「おい。どうしたんだ?」と、しらじらしく話しかけてきた。
 なんともはやどん感なやつだなあと、泣きながら心の中ではクスクス笑っていた。
 私は、ミドリちゃんと六組だか五組の保健委員につれられて保健室にいった。
 そして、五校時のなかごろに教室に帰った。
 教室にはいって席につくときがいちばんはずかしかったな。私が前のドアから教室にはいると、みんないっせいに私の方にちゅうもくした。私は泣きそうな、それでいて笑いそうな顔をしながら席についた。アキヤマ先生以外、私のけがの原因を知っている者はいなかった。
 席につくと、すぐ、隣に座っているトクナガとタケヤマが話しかけてきた。
「テンコ、なにしただ?」
「……………………」
「おい、テンコ!」
「……………」
「ちぇっなんだい。答えてくれたっていいじゃないか」
 私は話したくなかった。話しだすと、きっとまた涙が出てくるにちがいないからだ。
 今度のけんかでは、ひどく反省した。まえのタクロウの時は、にくかったけど、アキトとの場合は、逆にあやまりたい気持ちだ。今度からは気をつけようと思っている。(文中の氏名は一部仮名)


タクロウ、好きなはずだったんですけどねえ。好きではあるけれどむかつくってことだったんでしょう。それにしても、本当に私って喧嘩っ早い女子だったようです。いつも男子にちょっかい出してたように記憶していますから。






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