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Little Eden



3月22日金曜日

(お話) 母さんゆうれい

ある雨の日。テンコさんは学校の帰り道を急ぎ足で帰っていくところでした。
すると、目の前にお母さんがいるではないか。
テンコさんは、べつにあわてず、いつもいっていることばで「ママ、なにしてるの?」と小さい声でいった。
けれども、後ろから上級生の男の子たちがくるので、わざと大声で「お母さん、なにしてるの?」といった。
すると、そのお母さんは、ひとしずくのなみだをながして、すーっときえてしまった。
テンコさんはびっくりした。
テンコさんはなにやらむなさわぎがするので、急いで家に帰ってみた。
帰ってみたら、お母さんが、お父さんやほかの人たちの前によこたわっているではないか。
テンコさんはわっとなきつきました。
きっと、お母さんはテンコさんの声をききたかったのでしょう。

創作の物語や詩を書き出したの小4の頃でしたね。「母さんゆうれい」は、学校の帰りに歩きながら作ったお話。後ろから上級生がきてたのは確か本当のことだった。あんな妄想をいつもしてた私だったようです。あれは当時の私がまだ親のことを「ママ、パパ」と呼んでた時期で、そろそろ「お母さん、お父さん」と呼ばないとなあ、恥ずかしいよなあと思ってたから、それであんなお話ができたらしい。その日の日記にはこんなものも書いていた。

(作文) おばけとゆう霊

わたしは、おばけはゆう霊よりあまりこわくはない。
だけど、あまりはくりょくがありすぎるときぜつしちゃうかも。
ゆう霊は、もうはくりょくがいっぱいあって、ゆう霊の番組やお話を聞くと、夜、トイレに行けなくなっちゃう。だけど、死んでも自分の子どもを育てたり、あかのたにんでもたすけたりするやさしいゆう霊なんかいいなあ。
おばけは、なんのうらみもないのに、人の前にでてきておどかすだけ。
なんの罪もないのに殺された人はさぞかし悲しかっただろうに。
私も死ぬというおそろしさは知っている。だけど、死んでからその先、自分の気持ちがどうなるかは死なないとわからない。
だけど、おばけは人が死んだから出るのではなく、人にばけるんじゃないかと思う。
いちばんうらみが深いっていうのはねこ。
ねこは、夜、ぶきみになる。生きていても死んでもばけてもおなじじゃないの。
わたしはおばけはいないと思う。
だけど、ゆう霊はいるかいないかあってみなきゃわからない。
だけど、ゆう霊に会うってこわいなあー。


本当に子供でしたよねえ。おばけと幽霊って同じものだと思うんですが。妖怪の類と混同しちゃってたのかもしれない。あと猫のことにしても。動物霊は確かに強力らしいですけどね。どうもTV番組で見た怪奇現象をそのまま鵜呑みにしていたようです。まあ子供なんてそういうものなんでしょうけれど。(笑)






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