2013年02月09日(土)15:57

くもり

--------------------------------

2月に入ってから体調がいまいちで、何か書こうと思ってもなかなか書けなかった。一応いろいろ書きたいことはあるんだけど、午前中はあんまりゆっくり書いてる時間はないし、夜は早めに寝るようにしてたんで、パソコン自体を立ち上げる時間はなかったし。でも、せめて一ヶ月に一度くらいは更新しないとなあと思って、今日もあんまり体調はよくはないんだけど、ひどいというほどでもないんで、軽くちょっくら書きたいと思ってたことを書いとこうと思う。

自分の書いている完結してない小説に影響を与えているマンガがいくつかあるんだけど、そういったマンガも処分をしようと読み返しをしている中で「イティハーサ」というマンガがあり、その作者があとがきに、ご自分の見た夢のことを書いてらした。作者が10代最後の年に見たというその夢は、不思議な昂揚感に満たされたそうで、なぜか「伝えなきゃ」と見た後に思ったらしい。で、そのあとがきを読んだ私は、夢の内容も作者が感じたこともまったく違うのに、なぜか私も自分が小学生最後の夏に見た夢のことを思い出した。

私の時は別に「伝えなきゃ」とは思わなかったのだけど、私もまたその夢を見たことで物語を書くようになったとも言える。それ以前も物語めいたものは書いてたけれど、その夢は、今書き続けている(ストップしてるけど)物語たちが生まれるきっかけとなった夢だから、だから、その夢を見なかったら、私は恐らく物語を書くなんてことはしなかったんじゃないかなあ、ってね。

『「伝えなきゃ」という鮮烈な思いは今でも私の中に生き続けているけれど、いったい何を伝えなきゃいけないのかは今でもわからない。わかっているのは「ただの夢」でも人を幸福にできることがある…ということ。
 たとえ刹那でも…。刹那でも人には必要なのだ。幸福が。私は自分の創るモノがそういうものであってほしいと思うようになった。
 見ている間だけ、触れている間だけ、思い出している間だけ、言葉では説明できない高揚に包み込んで自分をさらっていってくれるモノ…。
 …なんという傲慢。』

と、作者はあとがきで書いているのだけど、私は作者とは違い、誰かに何かを伝えたいから物語を書いてきたわけではない。まあ、それだから私は作者とは違ってプロにはなれないのだというわけでもないのだろうけれど、でも、多少はその姿勢もプロにはなれない原因じゃないかとも思っている。私は、自分のためだけに書いてきたから。もちろん、まったく誰かのために書いてないというわけじゃない。過去に他人のために書いたこともあるし、その物語も私にとっては大切な物語だ。私はたった一人で生きているわけじゃないから、少なからず他人と関わって生きているわけだから、その誰かのために書きたいと思うことだってあるから。ただ、やはり基本は「自分のため」自分が「こういうもの」が読みたいと思って書いている。それは昔も今も変わらない。だから、きっと私のほうがより一層、傲慢なんだと思うよ。

この「イティハーサ」はラストが好きだ。幸せになってほしいと私が思っていた人が幸せになったから。その一点だけで。この物語の内容を知らない人にはわからない話だろうから詳しくは書かないけど(笑)、その幸せになってほしいキャラが私の持ちキャラのジュークに似てるっていうのもちょっと考えさせられたのだけど。(笑)あと、羽が生えてくるキャラが出てきたのだけど、その生え方が壮絶でねえ…忘れてたんだけど、羽が生えるってものすごく激痛を体験するんだろうなと感じていたのって、この物語のせいだったんだな、と。で、その激痛を感じてもいいから羽生えてこないかなあ、なんて、ほんまかいな、その時になったら死んだ方がマシだと思うんじゃないかと愚にもつかないことを考えた記憶がチラホラと。(爆)

『 物を創る人間はとても業が深いものです。頭の中は犯罪者と紙一重のような所があります。でもその業が自分という濾過装置を通って作品になった時、それは一つの夢になるのだと思います。性能の悪い濾過装置なので、一滴、一滴ゆっくり抽出して、こんなに長い時間かかってしまいました。
「イティ」がみなさんにとって、目覚めた後、いい夢だったと思い返していただけたら、幸せです。』

と、作者はあとがきで書いてます。13年続いたそうです。13年かあ。まあ確かに長いっちゃ長いんだろうなあ。私も17年かかって完結したものあるし。まあ、私の場合はストップしてた時期が長過ぎたから書き上がるまでそんなにかかっちゃったわけで、「イティ」の場合は書き続けて13年だから、一緒にしちゃダメなんだけど。まあ、今ストップしてる「ガーディアン・シリーズ」も初めて書き出した時を入れれば13年以上かかってるわけだし。せめて17年はかからないようにしないとなあとは思ってはいるけど。とりあえず今書いてる「太陽の刻印」の次で完結編となるんだけどさ。なんとか今年中に「太陽の刻印」だけでも書き上げねばねえ。

それにしても、そっか…濾過装置か。そういう考え方をすれば、少しは業が浅くなるかなあ、なんて思うことも傲慢かな。ロクな死に方しないよと私のことをそう思っている人だってきっといるだろうからなあ。昔みたいに、リアルで近しい人だけに読ませていたのならまだしも、プロの人たちみたいに不特定多数に読まれることでますます書くことの業は深まっていくような気が今はしてるんで、そのせいでなかなか穏やかに残りの余生を過ごせないのだろうかと、実は本気でそう思えてきた今日この頃、それも書けなくなってきた原因のひとつじゃないか、なんて思ってみたり。とはいえ、どんなものを書けば業とは無縁になれるのか、私にはわからない。作家の人たちすべてが業を背負って何らかの不幸を招いているわけじゃないしねえ。ま、関係ないんだろう、そんなことは。すべては己自身の心ひとつ。たぶん、それがホントのとこなんだろうな。

それに、最近では「こういうのが読みたい」という物語がひしめいてて、わざわざ私が書かなくてもいいかな、書いてる時間がもったいないと思うくらいに読み続けてるから。まあ、マンガばっかりだけど。ほんと、読めて幸せ。こういうことって定期的にくるみたいで、ネットを始める前、以前の職場にいた頃に怒涛のように読みふけっていた頃みたいだなあ。今はまだ書く時期じゃなくて読む時期なのかな、と。まあ、体力的に書くのが難しくなってきたというのもあるんだろうけど。書くことってけっこう体力や気力がいるからねえ。今の体調じゃ、書き続けるってなかなか難しい。だから、75歳で芥川賞もらった作家さんはすごいなあと思う。70年間物語を書き続けてきたっていうのが特にすご過ぎるもの。

さて、昨日、中貫えりさんの「最強の天使ニシテ最愛の悪魔」最終巻である9巻をゲットしたので、怒涛の完読いきましょうかねえ。今一番好きな内容を提供してくださる漫画家さんなんですわ。ほんともう好き過ぎるっ。でわっ、みなさまっ、次の更新までごきげんようっ!





inserted by FC2 system