2012年12月15日(土)16:47



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2012年12月15日 16:41

篠原正美さんのゴグとマゴグのお話のあとがきで書かれていた言葉「君は実は人間ではない。私たちは仲間だ。迎えに来たんだ」と問われて「あなたならなんて返事しますか?」というのを考えてみて、子供の頃、特に中学生や高校生の時だったら迷わず連れて行ってもらっただろうなあと当時の私は思った。これを初めて読んだのは初版が平成5年だったから、すでに結婚もして息子も生まれ、手術も終って、とりあえず何とか穏やかに過ごしていた頃だろうから。もっとも、今よりはすこーしばかりつらい日々を送っていただろうけど。特に仕事のことで悩みを抱えていた頃だったろうから。今の私はどうかな。まあ、まだ今は死に対して恐れを持ってるんで、もしかしたら連れてって欲しいと思っちゃったりするんだろうけど、さすがにね、この話が本当ならすでに生娘じゃない私は声すらかけてもらえないだろうけどさ。(笑)

子供の頃は自分が普通の人間であることが嫌だった。物語の主人公のように生きたいと思ってて、普通に学校に行ったり、普通に生きていくのが本当に嫌で、誰かどこかに連れて行ってほしいと本気で思ってて、毎晩のように窓を開け放って、エドガーが迎えに来てくれるのを、マークがやってくるのを、宇宙船が舞い降りてくるのを待ち続けたものだったけれど。でも、結局は私は普通の人でしかなく、今はそれでもいいやと思うようになっていった。ただ、死ぬ時に痛みがなかったらいいなあというささやかな願いだけで、普通に生きていくこともアリかな、と。夢や物語で疑似体験することで非現実を楽しむ術を知ったからというのもあるんだけど。夢や物語は現実で体験するにはかなり大変な事だということに気づいたというのもあるからなあ。夢は夢のままがいいんだよ、と。

そんな感じで、私は物語を楽しむことを選んだ。まだまだ楽しませてくれる作家さんがいるんで、なかなか自分が書こうと思えないのが玉に傷ではあるけれどね。

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