2012年03月21日(水)14:54

晴れ
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■ 14:42

『さて、帥の宮編も完結したことだし、つぎにジャパネスクを書くときは本編はちょっとお休みして、おなじみの番外編、アンコール編を書こうと思っています』

そう書かれていたのは1991年1月10日に発売された「なんて素敵にジャパネスク8」のあとがきでした。でも、このあとがきで書かれたアンコール編はたぶん書かれなかったのでしょうね。その後の執筆がどんなふうだったのか、私には知りようがなかったし、一応検索してはみたけど、書かれたような形跡はないし。だから、ジャパネスクにまつわるいろんな可能性の物語はもう二度と読めない。氷室さんはもうこの世にはいないのだから。

氷室さんが亡くなられたのは2008年6月6日51歳。本当にまだ若い。亡くなられた頃にはジャパネスクも完結していたので、失礼ながらそれほど気にかけていたというわけではなかったのですが、今回、山内さんのコミックスを手に入れたことで全22巻を一気に読破して、ああ、そうだ、原作者の氷室さんはもうこの世にはいないのだと、改めてショックを受けているところであります。今、コバルト文庫に書かれたジャパネスクのあとがきを時系列に読んでいき、自分なりに氷室さんへ追悼しています。いまさらと言われるかもしれませんが。

ジャパネスクのコミックスの前半11巻は当時はリアルタイムに購入しては読んでいたものでした。もちろん、原作の文庫のほうも発売されれば買っては読み、をしていたもので、私自身、独身から人妻に変わる時期にこれをリアルタイムに読んでいたこともあり、私にとっては本当に思い出深い作品でした。とくに瑠璃姫が吉野で守弥を吉野の君と間違えてというエピソードを読んでその余韻に浸っている時のとある思い出は忘れることのできない独身最後の思い出で(といっても、別にやましい思い出というわけではないのですが)それだけでもうこの作品は私にとって忘れがたい大切な物語のひとつとして死ぬまで何度も読み返したいと思うほどのものなのです。こういうものが読めるのなら、私も生きることをもっともっと頑張ろうと思えるほどに、ね。そう、作中の瑠璃姫に「ちゃんと生きなさい」と叱咤されている気にもなるという。

私は「なんて素敵にジャパネスク」を知る前は、読んでいる小説といったらジュブナイルSFばかりで、およそ恋愛の匂いも何も感じられない冒険小説ばかりで、小説でこういった少女小説を読むのは氷室さんのジャパネスクが初めてだったのです。こんなおもしろい世界があるんだと私に知らしめてくれたのが氷室さんのジャパネスクだったんですよ。まあ、その後もそれほど恋愛小説を読むということはなかったのですが、このジャパネスクだけは読み続けたものでした。なんというか、今思うに、ハーレクインというジャンルがありますが、それに近いものがあるかなあという気はしています。あくまで私がそう思うってだけなんですけど。ただ、最近は活字で読むのがつらくなってきているということもあり、これからはハーレクインもコミックス化されているということもあって、そちらのほうを読んでみようかなあと思っています。ほら、中貫さんもハーレクイン描いてるらしいし。(笑)

そんなわけで、久々文庫のほうもチラッと読んでみたのだけど、やっぱりこれは読みやすい。いいよなあ、こういう読みやすい小説って。私も書くならこういった読みやすいものを書きたいと昔も今も思ってます。昨日は、「太陽の刻印」の続きもちょっとだけ書いたし、もうすぐ次の章もお披露目できるかと思います。まあ、誰も待ってないかもしれないけど、だんだん核心に近づいていく内容にご期待くださいませ。

最後に、ジャパネスクを読んでて思ったことですが、小説読んでた時はそうは思わなかったんですけど、瑠璃姫と高彬の関係は絶大だよなあと。昔は、吉野の君とか鷹男の帝とかのほうが断然高彬よりいい男じゃん、そっちのほうが絶対いいと思うのにと不満に思ったりもしたけれど、瑠璃姫のようなとんでもない姫には高彬のような超マジメな男が一番似合いなんだなあって思うようになりました。というか、どうしてあのマジメな高彬が瑠璃姫のようなとんでも姫に執心するんだろうかと実は不思議に思ってたり。いやまあ、好みといってしまえばそれまでなんだけど。まあ、それ言ったら、うちの旦那さまも私みたいなとんでもない女を嫁にしちゃったわけですし、やはりそこはそれ、好みとしか言いようがないということで。なにはともあれ、瑠璃姫も私も「私にはもったいない男」と添い遂げられて、本当に幸せなんだよなあと、つまりはノロけてるわけでありまする。

ああ、私も氷室さんのジャパネスクのように、誰かに恋してもらえる物語を書きたいものです。そのためには今のガーディアンシリーズを何としても完結させなくては。ええ、頑張りますとも!!

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